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ストレッチ

ストレッチの基礎知識

ストレッチの基礎知識

 ストレッチは大まかに分けて、スタティックストレッチとダイナミックストレッチがあります。一般に広く知られているのがスタティックストレッチで、目的の筋肉を伸ばしたポーズを一定時間キープする静的なストレッチです。

 筋肉は急に伸ばされるか、その長さの限界近くまで伸ばされると、それ以上に伸ばされて切れないように抵抗します。これを伸張反射と呼び、筋肉の長さの変化を感じる筋紡錘というセンサーの感度により起こりやすさが変わります。筋肉の柔軟性は筋紡錘の感度と筋繊維(筋細胞)の長さで決まります。

 筋肉をゆっくり伸ばしていくと、あるところから抵抗を感じて、さらに伸ばそうとすると抵抗が増して痛みを感じます。これが伸張反射の起きている状態で、心地よい程度の痛みと抵抗感があるところが適切なストレッチ強度です。この状態を15秒以上保つと伸張反射が弱まり収縮抵抗が減少します。さらに5秒以上持続すると筋繊維が可塑的に伸ばされます。これにはⅠb抑制と呼ばれる反射と筋膜の粘弾性が関わっていますが、難しい説明は割愛します。60秒以上は持続時間を延ばしてもあまり効果は変わらず、ストレッチの効率的な持続時間は30秒前後と言われています。最低でも20秒以上は持続しないと充分な効果を期待できません。

 ストレッチ後10分から1時間程度で筋肉は元の状態に戻り、ストレッチの効果は一時的なものです。但し、毎日ストレッチを継続すると段階的に筋紡錘の感度が下がっていき、1~2か月以降では筋繊維の長さが増加していきます。結果として筋肉の柔軟性を高める事ができます。

 ある動きにおける体の柔軟性は、その動きに参加する全ての関節の柔軟性の総和と考えられます。 関節の柔軟性は、その関節運動に係わる全ての筋肉の柔軟性と、靭帯や関節包などの結合組織の柔軟性や遊び、骨格の形態的な特徴の影響を受けます。

 ストレッチにより柔軟性が増すのは主に筋肉の作用です。「アキレス腱を伸ばす」という表現がありますが、腱の伸張率は2%程度で僅かしかなく、実際にはふくらはぎの筋肉を伸ばしています。靭帯や関節包の柔軟性も多少変化しますが、骨の形による可動域の制限は変わりません。例えば、肘と膝の伸ばす方向の可動域は骨の形で決定されるので、通常では筋肉の柔軟性による個人差は出ません。従って、誰もがビックリ人間のようにはなれませんが、正しい方法でストレッチを続ければ体の柔軟性を高められます。

 スタティックストレッチは副交感神経に働きかけてリラックス効果も期待できるので、運動後のクールダウンや就寝前のリラクゼーションとして行うのも有効です。短距離走やジャンプ競技などでは、競技の直前に行うと、地面からの反発抵抗力の伝達効率が下がりパフォーマンスが落ちる可能性があります。ウォームアップに取り入れる場合は、やり過ぎに注意してダイナミックストレッチも組み合わせて行えばよいでしょう。